遺言の付言事項とは~豊島区の司法書士事務所です~
近年は「終活」という言葉を耳にすることも増え、生前に身の回りの整理を考えることが身近になったなようで、遺言のご相談を受けることも増えてきました。
遺言は法的な側面からみますと、遺言作成者の死後に財産を誰に分けるかという、財産に帰属先を定めることによって親族間の紛争を防ぐことが主な役割になります。
そのため、我々が専門家として遺言作成の相談を受けた場合、大体は
1.「〇〇(財産名)は妻に相続させる」
2.「△△(財産名)は長男に相続させる」
3.「□□(財産名)は長女に相続させる」
といった財産の分け方を記載することになります。
このような財産の分け方だけを記載した遺言で法的な役割は果たせますので全く問題ありませんが、それとは別に法的な効力はありませんが家族に伝えたい文章等を追加することも問題ありません。
例えば、家族に対する生前の感謝の気持ちを伝える内容であったり、他の相続人より多く財産を受け取る相続人がいる場合にその理由(例えば生前の介護に従事してくれたお礼として財産を多く残してあげたい)であったりです。
※このような法的に効力のない文章を「付言事項」といいます
財産の帰属先を定めた遺言で相続後の親族間の紛争を防ぐことが期待できますが、それだけでは紛争が防ぐことができても実はそれぞれの相続人は感情的に納得できていないこともあるでしょう。
そのような場合に相続人の立場を配慮する内容や相続人間で不公平が生じる理由を付言事項として残しておくことで、相続人も感情的に納得でき、その後の親族関係に余計なひびが入ることを避けることもできるかもしれません。
何より相続の前後で関係性の変わらない円満な親族であっても、家族に感謝の気持ちを伝える方法は限られていますので、付言事項をうまく使った遺言を残すことも一つの方法としてお考えいただく価値はあるのではないでしょうか。
遺言は自筆で作ることも可能ですが、法律で定められた要件を満たさなければなりませんし、法的に問題が生じないようによく検討すべき内容もありますので、作成をご検討の際は当事務所の無料相談をご利用ください。